過積載の罰則と違反点数は?ドライバー・会社・荷主の責任を、寸前で気づいた現役が解説

過積載の罰則と違反点数は?ドライバー・会社・荷主の責任を、寸前で気づいた現役が解説 仕事内容・職種

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「この荷物、本当に最大積載量に収まっているのか」。トラックに乗っていると、そう感じる場面があると思います。もし過積載で捕まったら、罰を受けるのは誰なのか。会社に言われて積んだ場合でも、運転していた自分なのか。

先に結論を言います。過積載は、運転したドライバーも罰の対象から外れません。違反点数が加算され、反則金を払い、積みすぎの度合いによっては免許停止の基準に届いたり、刑事手続きに進んだりします。そのうえで、積ませた会社や荷主にも、それぞれ罰則や処分が用意されています。

私は業界20年超、うち海上コンテナを13年引いている現役ドライバーです。大型・けん引・運行管理者(貨物)などの資格を持っています(運営者プロフィール)。一社目の大手で4トンのウイングに乗っていた頃と、同じ一社目で海コンを引いていた頃に、過積載の寸前で気づいて積むのを止めたことがあります。この記事では、罰則の中身を法律の条文と警察・国土交通省の資料で確かめたうえで、現場でどう気づき、どう止めたかを話します。

車庫の休憩室で、後輩が「会社に積めって言われて捕まったら悪いのは会社ですよね」と聞き、先輩が「運転した人間も外れない」と答える1コマ漫画
過積載は、運転した人間も罰の対象から外れない

過積載とは|原則、最大積載量を1kgでも超えたら違反

過積載とは、車検証に記録された「最大積載量」を超えて荷物を積んで走ることです。道路交通法第57条で、積載物の重さの制限を超えて運転することが禁止されていて、その制限は車検証の最大積載量だと政令(道路交通法施行令第22条)で決められています。

「何割までなら大丈夫」という線はありません。法律上は、最大積載量を超えた時点で違反です。このあと出てくる「5割未満」「10割以上」という区切りは、違反になるかどうかの線ではなく、罰の重さを分けるための区切りです。

なお、分割できない貨物については、道路交通法第57条第3項により、出発地の警察署長が制限外積載を許可する制度があります。重量が制限を超える場合は、警察庁の現行の取扱要領で慎重な審査が求められていて、許可が必ず出るわけではありません。許可なく最大積載量を超えて運転すれば違反です。

参考:e-Gov法令検索「道路交通法」第57条第3項/警察庁「制限外積載許可取扱要領の改正について(通達)」(2025年3月21日・第8の3)https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20250321-1.pdf(2026年10月に確認)

トラックだけでなく、海コンのシャーシ(コンテナを載せる被けん引車)にも、1台ずつ最大積載量があります。同じコンテナでも、どのシャーシに載せるかで、積めるか積めないかが変わります。

道路法の「重さの制限」とは別のルールです

よく混ざるのが、道路法にもとづく車両制限令の重量制限です。こちらは道路や橋を守るためのルールで、車と荷物を合わせた総重量(一般的な道路で20トン)や、1本の車軸にかかる重さ(軸重10トン)などに上限があります。高速道路など指定された道路では、車の長さや軸の間隔に応じて総重量の上限が緩和されます。

道路交通法の過積載が「その車に決められた最大積載量を超えたか」を見るのに対して、車両制限令は「総重量や軸ごとの重さが、道路の上限を超えたか」を見ます。根拠になる法律が違うので、この記事では主に、ドライバーの免許に直接かかわる道路交通法の過積載を扱います。

過積載の罰則は?大型車等の違反点数と反則金【表】

過積載の点数と反則金は、最大積載量を何割超えたかで3段階に分かれます。大型車等の場合は、次のとおりです。

超過の割合 違反点数 反則金
5割未満 2点 30,000円
5割以上10割未満 3点 40,000円
10割以上 6点 対象外(次の章で説明)

出典:警視庁「交通違反の点数一覧表」「反則行為の種別及び反則金一覧表」(いずれも2026年4月1日更新・2026年10月に確認)。点数と反則金は改正されることがあります。

4トン車も「大型車等」の欄を見てください

ここは意外と知られていないところです。反則金の表でいう「大型車」には、大型自動車だけでなく中型自動車と準中型自動車も含まれます(道路交通法施行令)。点数の「大型等」も同じ範囲です。いわゆる4トン車に乗っている人は、普通車ではなく、この大型車等の欄が当てはまります。

参考までに普通車の場合は、5割未満が1点・25,000円、5割以上10割未満が2点・30,000円、10割以上が3点・35,000円です。普通車は10割以上でも反則金の対象のままです。

例:最大積載量2,800kgの4トンに、4,000kg近く積んだら

あとで話す私の体験を、数字に置き換えてみます。最大積載量2,800kgの4トンウイングに、4,000kg近い荷物を全部積んで走っていたら、オーバーは約1,200kg。最大積載量の約4割の超過です。区分は「5割未満」で、2点・反則金3万円になります。

実際に積んだのは3パレットで、残りは2パレット。もし残りの2枚も積んで走り、取り締まりを受けていたら、5割未満の過積載として2点・反則金3万円の対象になるところでした。

最大積載量2,800kgの4トンに約4,000kg積んで走ると約1,200kg(約4割)のオーバーで、5割未満=2点・反則金3万円に当たることを示す棒グラフ
パレット2枚の差が、5割未満の過積載になる

10割以上の過積載は、反則金では済みません

大型車等で最大積載量の2倍以上(10割以上)を積んでいた場合は、扱いががらっと変わります。反則金の対象から外れて、刑事手続きに進みます。いわゆる青切符ではなく、赤切符です。

道路交通法第118条では、積載物の重量の制限を超えて運転したときの罰則を「6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金」と定めています。10割未満は通常、交通反則通告制度の対象で、反則金を納めれば刑事手続きに進みません。ところが、大型車等の10割以上は反則金の仕組みが使えないので、この罰則の手続きになります。

点数も6点です。過去に行政処分を受けたことがない人でも、6点は免許停止30日の基準に届きます(警視庁「行政処分基準点数」)。1回の過積載でも、トラックに乗れなくなる処分につながりかねないということです。

ほかにも、警察官の停止や重さの測定を拒んだときや、「荷物を下ろす」などの措置を命じられて従わなかったときにも、それぞれ罰則(3月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金)があります。

※「懲役」は2025年6月から「拘禁刑」に変わりました。古い資料では「6か月以下の懲役」と書かれていることがあります。
参考:e-Gov法令検索「道路交通法」第57条・第58条の2・第58条の3・第118条・第119条・別表第二/警視庁「行政処分基準点数」(2026年10月に確認)

ドライバー・会社・荷主、それぞれ何が問われる?

過積載でよく出てくるのが、「会社に言われて積んだのに、罰を受けるのは運転手なのか」という疑問です。答えは、3者とも、それぞれ問われます。ただ、問われ方が違います。

過積載で問われる3者。ドライバーは違反点数・反則金(大型車等の10割以上は刑事手続き)、会社は指示・黙認の罰則と国交省の処分、荷主は要求の禁止と命令違反の罰則
指示されて積んでも、運転した人の違反は消えない

ドライバー(運転者)

ここまで説明した点数・反則金・刑事罰は、すべて運転者に向けたものです。会社の指示で積んだかどうかに関係なく、ハンドルを握って走った人間が違反の当事者になります。違反点数が加算されるのは、運転した自分です。

会社(使用者・運送会社)

道路交通法第75条で、会社(使用者)や、運行管理者など運行を直接管理する立場の人は、ドライバーに過積載を命じることも、黙って認める(容認する)ことも禁止されています。違反には6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金という罰則があり、会社そのものにも罰金が科されることがあります(両罰規定)。さらに要件を満たせば、公安委員会がその車両を最長6か月使わせない命令を出すこともあります。

運送会社には、国土交通省の行政処分もあります。貨物自動車運送事業法第15条で、最大積載量を超える運送を引き受けること、それを前提に運行計画を作ること、ドライバーに指示することが禁止されていて、違反すると車両停止などの行政処分の対象になります。

違反の内容 初違反 再違反
過積載の運送の引受け(5割未満) 10日車×違反車両数 20日車×違反車両数
過積載の運送の引受け(5割以上10割未満) 20日車×違反車両数 40日車×違反車両数
過積載の運送の引受け(10割以上) 30日車×違反車両数 60日車×違反車両数
過積載を前提にした運行計画の作成 10日車 20日車
過積載の運送の指示 20日車 40日車

「日車」は、車両を止める日数×台数のことです(20日車なら、1台を20日、または2台を10日など)。「再違反」は、過去3年以内に同じ営業所で過積載の違反をしていた場合です。
出典:近畿運輸局「貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について」別表(令和7年4月1日施行・2026年10月に確認)。ほかの地方運輸局も同様の基準を公示しています。

荷主

荷主にもルールがあります。道路交通法第58条の5で、荷主などがドライバーに過積載で走るよう要求することや、過積載になると知りながら積ませるために荷物を引き渡すことが禁止されています。繰り返すおそれがあると、警察署長が「再発防止命令」を出すことができ、その命令に従わなかった場合には6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金という罰則があります。

ただし、罰則が付くのは再発防止命令に従わなかったときです。「積めと言った時点で荷主がすぐ罰せられる」わけではありません。ここは誤解しやすいところなので、はっきり書いておきます。

国土交通省の側にも仕組みがあります。運送会社への命令や処分にあたって、違反が主に荷主の行為によるもので、会社への処分だけでは再発を防ぎにくいと認められる場合、国土交通大臣は荷主に勧告できます。勧告したときは、その旨を公表します(貨物自動車運送事業法第65条)。違反の原因になりそうな行為をしている荷主には、働きかけ・要請・勧告という段階的な対応もあります。国土交通省の資料では、過積載を招くおそれがある荷主の行為の例として、「積込み直前に貨物量を増やすように指示するような行為」が挙げられています。

参考:e-Gov法令検索「道路交通法」第58条の5・第75条・第118条・第123条、「貨物自動車運送事業法」第15条・第65条・附則第1条の2/国土交通省「荷主への働きかけ等のフロー」https://www.mlit.go.jp/common/001312253.pdf(2026年10月に確認)

4トンウイングで、過積載の寸前に気づいたときの話

ここからは私の体験です。一社目の大手で、4トンのウイングに乗っていた頃の話です。

廃材の集荷に行ったときのこと。書類には「1パレット400kgが6パレット」とあった。最大積載量は2,800kgだから、2,400kgで収まる計算だ。

ところが現場に着くと、パレットは5枚しかない。書類と数が合わない。この時点で引っかかってはいたけど、とりあえず積み込みを始めた。

荷主さんのフォークがパレットを持ち上げたとき、フォークの後輪、舵を切るほうのタイヤが少し浮いた気がした。ここでも違和感。そして最初の1枚を荷台に載せた瞬間の、車体の沈み込み方で確信した。これは書類の重さじゃない。

パレットを持ち上げたフォークリフトの後輪が浮きかけ、4トンウイングの横でドライバーが異変に気づくイラスト
書類の数字より、目の前の違和感を信じた

数も違う、重さも怪しい。作業を止めて、会社に連絡した。会社を通じて、荷主さんの現場にあるスケール(はかり)で量り直してもらったら、1パレット800kg近くあった。書類の倍だ。

どうやら事務のミスで、大型で運ぶ分の荷物を、4トンで注文してしまっていたらしい。結局、積んだのは3パレットだけ。残りの2パレットには、別に2トン車が手配された。

もし書類を信じて5枚全部積んでいたら、4,000kg近い荷物を、最大積載量2,800kgの車で運ぶことになっていた。違反点数が加算されて処分を受けるのは、運転していた私だ。

書類の数字と現物が合わないときは、それだけで手を止める理由になります。重さはパレットの見た目では分かりません。数が合わない、フォークの様子がおかしい、車体の沈み方が違う。小さな違和感が重なったら、積み切る前に止めるのが一番安上がりです。

海コンは、書類の重量で自分を守る

同じ一社目で、海コンを引いていた頃にも2回あります。

1回は、ターミナルの受付で出てきたプラカードに書かれた重量が、指示書と違っていて気づいた。もう1回は、トランステナー(コンテナを積み下ろしする門型のクレーン)のオペレーターさんが気づいてくれて、外部マイクで教えてくれた。

トラックの運転席で、指示書とプラカードの重量の欄が食い違っていることに気づくドライバーのイラスト
書類は1枚で見ず、突き合わせる

どちらも、そのとき引いていたのは二軸のシャーシ。二軸では積めない重さだったから、積みはキャンセルした。

20フィートのときは、三軸のシャーシを引いて近くを車庫に向かって走っていた車に無線で連絡して、ターミナルの許可をもらったうえで、ターミナルの中で交代した。40フィートのときは、一度ターミナルを出て、近くのシャーシプールでシャーシを差し替えてから、自分で積んだ。

海コンの場合、コンテナの中身の重さは、搬入票やD/O(荷渡指図書)、ディスパッチなどの書類で分かります。中身が見えない分、頼りになるのは書類の数字です。

ただ、私の1回目のように、書類同士の数字が食い違うことはあります。だからこそ、1枚だけで判断せず、受付で出てくるものと手元の指示書を突き合わせることが、自分を守ることにつながります。そのうえで、今引いているシャーシで積める重さかどうかを確かめる。海コンの1日の流れや仕事の中身は、海コンドライバーの仕事内容の記事に書いています。

「積め」と言われたら断れるか|現役の本音

断れるのが普通だ。罰を受けるのは会社だけじゃない。運転したドライバーもだから。

でも現実には、断れない会社もまだ多くある。威圧してくる会社もあるし、「みんなやってるから」という空気で押し切られることもある。

もうひとつ、ドライバーのほうが断らないパターンもある。運んだ重さで給料が決まる会社の場合だ。積めば積むほど稼げるなら、稼ぎたいドライバーは過積載と分かっていても走るだろう。

これは私が直接見てきた話ではなく、聞いた話です。ダンプから転職してきた先輩や、廃材屋をやっていた元同僚から、昔は「重量+距離」の歩合で給料を決める会社が多かったと聞きました。今はかなり少なくなったかもしれません。

現場の印象でいえば、混載の荷物や廃材のように、1つ1つの重さをつかみにくい荷物は過積載になりやすいと感じます。私の4トンの件も廃材でした。ただ、今は昔よりかなり厳しくなっていると思います。

私が4トンのときにやったのは、作業を止める、会社に連絡する、量り直してもらう、の3つでした。ひとりで荷主さんと話をつけようとしなくていい。会社に上げて、量り直して、数字で判断する。それで十分です。

逆に、過積載だと分かっていて走れば、どんな事情があっても違反の当事者は自分です。「積めと言われたから」は、あなたの免許を守ってくれません。

過積載を断れる会社か、入る前に見ておきたいこと

現場で断れるかどうかは、会社がドライバーの判断を支える体制になっているかで決まります。求人票や面接で確認しておきたいのは、次の3つです。

  1. 歩合の中身:歩合があるなら、何で決まるのか。運んだ重さで給料が増える仕組みは、ドライバーを過積載の方向に押します。
  2. 止めたときの連絡先:現場で「積めない」と判断したとき、配車や運行管理者にすぐ連絡がつき、手配をし直してもらえるか。面接で「積載オーバーに気づいたら、どうしていますか」と聞いてみると、会社の考え方が見えます。
  3. 行政処分の履歴:国土交通省のネガティブ情報等検索サイトでは、トラック事業者が受けた行政処分を調べられます。応募する前に、社名で見ておくと安心です。
過積載を断れる会社か入る前に見る3つ。歩合の中身、止めたときの連絡先、行政処分の履歴
断れる会社かどうかは、入る前に確かめられる

会社選び全体のチェックポイントは、運送会社の選び方の記事にまとめています。

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よくある質問(FAQ)

Q. 少しのオーバーでも違反になりますか?

原則として、最大積載量を少しでも超えて運転すれば違反です。警察署長の制限外積載許可を受けた場合などは例外です。大型車等なら、5割未満でも2点・反則金3万円です。割合で変わるのは、違反になるかどうかではなく、点数と反則金の重さです。

Q. 会社や荷主の指示で積んだ場合、ドライバーは罰せられませんか?

罰せられます。運転者の違反がなくなるわけではありません。会社や荷主も、かかわり方によっては罰則や行政処分の対象になります。違反点数が加算されるのは、運転していた人です。

Q. 4トン車は普通車の扱いですか?

中型・準中型にあたる4トン車は、点数も反則金も「大型車等」の扱いです。普通車より重く、たとえば5割未満でも反則金は3万円です。自分の車の区分は、車検証で確認してください。

まとめ:過積載を断れる会社が、技術の値段を守る

過積載は、原則として最大積載量を1kgでも超えたら違反です。大型車等なら5割未満でも2点・反則金3万円、10割以上は赤切符で、1回で免許停止の基準に届きます。会社にも荷主にも罰則や処分はありますが、運転したドライバーの責任は消えません。

過積載を強いる会社に従うのは、自分の免許と技術を安く売り渡すことです。断れる会社を選ぶことは、その技術の値段を守ることでもあります。求人を見比べるなら、現役の目で比較した転職サイト3選から始めてみてください。

※本記事は筆者自身の経験と、見聞きした範囲の話に基づく内容です。罰則・点数・反則金・行政処分の基準は、2026年10月時点の法令と公的資料で確認したもので、改正されることがあります。最新の内容は警察庁・各都道府県警察・国土交通省の公式情報やe-Gov法令検索で確認してください。個別の事案については、警察や専門家に相談してください。

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