トラックの点呼でアルコールチェックに引っかかったらどうなる?現役が体験と対処を本音で解説

トラックの点呼でアルコールチェックに引っかかったらどうなる?現役が体験と対処を本音で解説 仕事内容・職種

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乗務前の点呼で、アルコール検知器に数値が出る——ドライバーにとって、これほど心臓に悪い瞬間はそうありません。そして私は一度、実際にやっています。前の晩に飲んだのはハイボール350ml缶を一本だけ。自分では完全に抜けている感覚でした。それでも翌朝、検知器は鳴りました。

先に結論から言います。

点呼のアルコールチェックで反応が出たら、その瞬間から乗務はできません。処分がどうなるかを心配する前に、まず「その場で止まる」。原因がはっきりして、再検査で問題なしと確認されるまで、あなたも荷物も動けなくなります。そして長距離なら、替わりのドライバーはいません。止まるのは自分ひとりではなく、運行そのものです。

この記事では、検知器が反応した瞬間に何が起きるのか、そもそも検知器は何に反応しているのか、処分はどうなるのか、そして「隠したらどうなるか」まで、実際に鳴らした経験のある現役ドライバーの目線で書いていきます。前提はトラック運送会社(緑ナンバーの事業用)の点呼の話です。なお、社内での扱いは会社の就業規則や事案の内容によって変わるので、断定はしません。飲む前の線引きや出先点呼の段取りそのものは、車中泊での飲酒と出先点呼の記事に分けてまとめてあります。この記事は「出たあと」に絞ります。

「もう抜けた」と思っていた朝、検知器が鳴った

まず、私の話からです。真夏の長距離運行でのことでした。前の晩、初めて出先でハイボールの350ml缶を一本だけ飲みました。ふだん出先ではほとんど飲まない人間です。その日はかなり早めに現場へ到着できました。量も時間も考えたうえでの一本で、朝には抜けている自信がありました。

翌朝の点呼。検知器に息を吹き込むと、アラームが鳴りました。

あの音は、今でも耳にこびりついています。ピーーーーという甲高い音。画面の向こうでは、音を聞きつけた配車係が数人集まってきました。「お前、やったな」という顔です。心臓には悪かったですが、やることはひとつでした。飲んだのはハイボール一本だけで、飲酒から8時間以上経過していることを、そのまま正直に伝えました。

早朝のトラック車内で、携帯型アルコール検知器に息を吹き込みながらスマートフォンのテレビ電話で出先の点呼を受ける現役ドライバー

そこから会社と一緒に原因探しが始まります。「いつもと違うことをしなかったか」と聞かれ、記憶を辿りました。思い当たったのは、寝る前と朝の着替えのときに体に塗った、アルコール成分を含む清涼ローション。私の場合はシーブリーズでした。その場で濡れタオルで体を拭いて再検査したら、今度は問題ありませんでした。

誤解しないでほしいのですが、製品が悪いという話ではありません。アルコール成分は表示されていますし、用途どおりに使っただけです。問題は、検知器がそれくらい微量の、体の表面に付いたアルコールにまで反応するという事実を、現場の私が知らなかったことです。体を拭いたら数値が消えたので、ローションの影響だった可能性が高いと考えています。ただ、当時の状況だけで原因を完全に断定できるわけではありませんし、前の晩の酒が抜けきっていたことが証明されたわけでもありません。それでも機械は鳴りました。「もう抜けた」という自分の感覚が、いかにあてにならないかを思い知った朝でした。

あとで知ったことですが、これは私だけの珍事ではありませんでした。国土交通省も点呼のQ&Aで、「アフターシェーブローション、入れ歯安定剤など、体に付けるものでアルコールを含むものに反応することもある」とはっきり案内しています。私が知らなかっただけで、現象としては前から知られていたわけです。

この一件が笑い話で済んでいる理由は、あとで詳しく書きます。先に言ってしまえば、すぐに正直に申告して、その場で原因まで突き止めたからです。

検知器は何に反応しているのか

引っかかった経験から言えるのは、検知器が反応する原因は「前の晩の酒」だけではないということです。私の実体験と裏付けを合わせると、反応には3つの段階があります。

① 体の中に残っているアルコール

前の晩の酒が抜けきっていないケース。これが本来の検知対象で、出たら言い訳のしようがありません。アルコールの分解には、厚生労働省の「アルコールウォッチ」で純アルコール10gあたり約2.5時間、20g(ビール中びん1本程度)でおよそ5時間が目安とされています。ただし体質・体重・体調・年齢で個人差が大きく、この時間を過ぎれば運転できるという意味ではありません。

② 体の表面や口の中にある「本物のアルコール」

私のシーブリーズがこれです。ほかにもアルコールを含むものは身近に多く、マウスウォッシュ、のどスプレー、手指の消毒液、奈良漬けなどの発酵食品が知られています。飲んだ酒ではなくても、検知器から見れば同じアルコールなので、正しく反応します。

③ アルコールですらないもの(機種の方式による)

私は自分の携帯用チェッカーで、コンビニのコーヒーを飲んだ直後に測って反応が出たことがあります。これは②とも違う話で、安価な機種に多い「半導体式」のセンサーが、アルコール以外のガスにも反応する仕組みだからです。故障でも不良品でもなく、方式の特性です。国土交通省も、検知器によっては疾病で体内から出るアルコール以外の物質(ケトン体や体内で発生した発酵ガス)に反応することがあると案内しています。

アルコール検知器が反応する3段階の図解。体内に残る酒と体表・口内のアルコールには正しく反応し、コーヒーなどアルコール以外のガスには半導体式の特性で反応する

栄養ドリンクには、本当にアルコールが入っている

②で個人的に一番驚いたのが、栄養ドリンクです。私は自分のチェッカーで、タフマンを飲んだあとに測って反応が出たことがあります。調べてみたら、これは誤作動ではありませんでした。メーカーのヤクルト本社が公式に、「タフマン」にはアルコール分0.7%が含まれると公表しています。ワイン・生薬エキス・香料由来のもので、容器にも表示があります。公式サイトには「体質や体調によっては、車の運転に影響を及ぼす可能性があるため、運転前に飲むのはお控えください」という案内まで載っています。

酒税法ではアルコール分1%未満は清涼飲料水の扱いなので、コンビニでも普通に並んでいます。念のため書いておくと、栄養ドリンク1本で飲酒運転になるという話ではありません。量としてはごく微量です。ただ、点呼の検知器はその微量に反応することがあります。もちろん、運転前に飲んでよいという意味ではありません。生薬エキスの抽出にアルコールが使われるため、同じようにアルコールを含む栄養ドリンクはほかにもあります。ラベルの成分表示は、一度見ておいて損はありません。

参考:ヤクルト本社「お客さま相談センター(栄養ドリンク)」/アルコールの分解時間の目安:e-ヘルスネット「飲酒量の単位」

「半導体式」と「燃料電池式」——個人用と業務用の違い

③のコーヒーの話には、知っておくと腹落ちする裏があります。アルコール検知器のセンサーには大きく2つの方式があります。

  • 半導体式:安価で反応が速い。ただしセンサーがアルコール専用ではなく、アルコール以外のガスにも反応する。個人向けの携帯チェッカーに多い方式
  • 燃料電池式(電気化学式):呼気中のアルコールそのものを燃料にして測る仕組みで、アルコールに選択的。価格は高めで、業務用の点呼用検知器に多い方式

つまり、自分の携帯チェッカーがコーヒーで鳴ったのも、会社の点呼の検知器が体表のアルコールを拾ったのも、それぞれの機械が仕組みどおりに仕事をしただけです。検知器は嘘をつきません。嘘をつくのは「もう抜けたはず」という人間の感覚のほうです。この方式の違いは、あとで携帯チェッカーの話をするときにもう一度効いてきます。

参考:タニタ「アルコール検知器の基礎知識

引っかかった「その場」で何が起きるか

ここからが本題です。点呼で反応(いわゆる陽性)が出た瞬間から、現場では次のことが順に起きます。私の体験と、運行管理者(貨物)の資格を持つ者としての制度理解を合わせて書きます(制度の説明であって、私が点呼を実施した話ではありません)。

STEP1 乗務ストップ

数値が出た時点で、そのまま乗ることはできません。運送事業では点呼で酒気帯びの有無を確認することが義務で、検知器の使用は2011年5月から義務化されています。「ちょっとだけだから行ってこい」は制度上ありえない指示です。また、私の知る限り、取り締まりの基準値を下回っていても乗務を許可しない運行管理者がほとんどです。

STEP2 申告と聞き取り

飲んだのか、飲んだならいつ・何を・どれだけか。私のときは「いつもと違うことをしなかったか」と聞かれました。ここで出す情報が原因究明の材料になります。正直に、全部出す。ここの態度が、あとの展開を分けます。

STEP3 原因をつぶして再検査

体表や口の中が疑われるなら、体を拭く・うがいをする・時間を置く。そのうえでもう一度測ります。私は濡れタオルで体を拭いて再検査し、問題なしになりました。国土交通省も「うがいをさせる、少し時間をおいてから再度測定する」という対応を示しています。何分空けるかまでは示されていませんが、検知器メーカーの案内では15〜30分程度が目安です。最終的には会社の手順と取扱説明書に従ってください。

STEP4 記録と、その先

点呼のやり取りは記録され、1年間の保存が義務です。再検査で反応がなくなり、点呼をする側が酒気帯びなしと確認して初めて乗務になります。国土交通省も、それでも反応する場合は乗務させないよう案内しています。原因がつかめないときも同じです。そこから先の扱いは、次の章の「処分」の話になります。

参考:国土交通省「自動車運送事業におけるアルコール検知器の使用について」/貨物自動車運送事業輸送安全規則(e-Gov法令検索)

長距離で出すと、運行ごと止まる

この流れが地場と長距離では重さがまるで違います。営業所での朝の点呼で出たなら、まだ替えのドライバーを立てる余地があります。しかし長距離の出先で出したら、替わりはいません。荷物はトレーラーやトラックごとその場に止まり、納品先への連絡、以降の予定の組み直しと、影響は自分ひとりの範囲では収まらなくなります。

出先の点呼では、営業所に戻れない運行のために携帯型のアルコール検知器を持たせる運用が制度として認められていて、私も会社から携帯用の検知器を支給されて運行していました。つまり出先だからチェックが緩いということはなく、どこで朝を迎えても、検知器の前は平等です。逃げ場はないと思っておいたほうがいいです。

処分はどうなるのか

一番気になるところだと思いますが、ここは正直に「一概には言えない」としか書けません。処分の有無や重さは、会社の就業規則、運行管理者の判断、事案の内容、そして所轄の判断によって変わります。そのうえで、一般論としての整理はできます。

  • 体表・飲食物などが原因で、再検査でクリアになった場合:私のケースはこれで、軽い指導はあったものの、処分はありませんでした。原因がはっきりして数値も消えたなら、大ごとにならずに済む会社が多いはずです。ただし扱いは会社によります
  • 前夜の酒が残っていた場合:その日の乗務ができないことによる影響に加え、社内の処分(注意、始末書、乗務停止など)の対象になりえます
  • 数値が出たまま運転してしまった場合:これはもう次元が違う話です。呼気1リットル中0.15mg以上のアルコールで、道路交通法の酒気帯び運転になります。本人の免許と刑事処分だけでなく、会社も行政処分や社会的責任を問われる領域で、点呼で止まっていれば防げたはずの最悪の結末です

私の経験から言える確かなことはひとつです。体表や飲食物によるその場限りの反応と、飲んだ酒を残して出したのとでは、会社の見る目がまったく違います。前者は「原因を突き止めた者」として扱われ、後者は「管理ができなかった者」として扱われます。同じ「引っかかった」でも、中身で天と地ほど変わります。

隠したらどうなるか

そして、一番書いておきたいのがここです。反応が出たとき、人間はつい考えてしまいます。「もう一回吹けば消えるかもしれない」「黙っていれば分からないかもしれない」。その誘惑の先にあるものを、正直に申告した側の人間として書いておきます。

私のシーブリーズの一件は、いまでは笑い話です。配車係の「お前、やったな」という顔も、酒の席のネタになっています。そうなった理由は運が良かったからではありません。アラームが鳴った直後に、飲んだ量を正直に言い、心当たりを全部出し、その場で原因を突き止めたからです。会社から見れば「こいつの申告は信用できる」という実績がひとつ積まれた出来事でもあります。

逆に、隠す道を選んだらどうなるか。ごまかして乗った先で何もなければ、ばれないかもしれません。しかしその瞬間から、点呼という仕組みそのものを裏切ることになります。万一そこで事故を起こせば、酒気帯びの疑いは真っ先に調べられ、点呼の記録は残っています。本人の処分では済まず、会社の行政処分や信用にまで及ぶ話になります。検知器をどうごまかすかを考え始めた時点で、ドライバー人生は詰みに向かいます。これは脅しではなく、構造の話です。隠して得られるのは「その日の運行」だけで、失うものは全部です。

点呼で検知器が反応したあとの分岐図。正直に申告すれば原因確認と再検査を経て笑い話で済み、隠せば点呼記録が残り万一の事故で本人の処分と会社の行政処分・信用に及ぶ

だから、もし読んでいるあなたが明日の朝それを鳴らしてしまっても、やることはひとつです。その場で、正直に、全部言う。私のように笑い話で終わる道は、そこにしかありません。

引っかからないための線引きと自衛

ここまでが「出たらどうなるか」でした。最後は、そもそも鳴らさないための自衛です。

前夜の酒については、シンプルな原則に尽きます。「抜けるはず」ではなく「残ったら終わり」を前提に、量と時間を決めてください。翌朝に乗務があるなら、飲まないのが一番ややこしくありません。泊まり運行での飲酒の線引きや出先点呼の段取りは、車中泊での飲酒は違法なのかを整理した記事で詳しく書いているので、飲む側の判断はそちらを読んでください。

そのうえで、この記事で書いてきた「飲んでいないのに鳴る」への自衛は、朝の習慣の問題です。

  • 点呼の前にアルコール成分入りのローション・制汗剤・マウスウォッシュを使わない
  • 使ったなら、体は拭く・口はゆすぐ・15〜30分空けてから測る
  • 栄養ドリンクやのどスプレーは、成分表示を一度確認しておく
  • 手指の消毒直後に測らない

携帯用チェッカーは「お守り」になるか——2台買って使った本音

自衛の道具として、携帯用のアルコールチェッカーに触れておきます。私は会社支給の検知器とは別に、自分でも2台買って使ってきました。タニタのアルブロHC-213Sと、ソシアックのSC-103です。コーヒーで鳴ったのはソシアック、タフマンで鳴ったのはタニタでした。

2台使った本音を先に言います。測定の精度の差は、正直、私には分かりませんでした。そもそも個人が2台を使い比べたくらいで、どちらが正確かを判定できるものではありません。会社の点呼で使う業務用の燃料電池式とは方式からして別物ですし、この価格帯に精度の優劣を求めるのが、そもそも筋違いなのだと思います。

代わりに、長く持っていて分かったことがあります。カタログの数字を見比べているだけでは気づかない話です。

どちらを買っても、結局は1年で買い替えることになります。ソシアックはセンサー寿命5,000回、タニタは1,000回と大きな差があるように見えますが、どちらも「規定の回数、または購入から1年のどちらか早いほう」です。毎朝1回測っても年に365回。個人が使う分には、回数の上限に届く前に1年のほうが先に来ます。携帯チェッカーは、置いておけば安心なお守りではなく、1年ごとに買い替える消耗品です。

タニタは、使用回数が1,000回を超えると「SENSOR」「OVER」と表示して知らせてくれます。ただしメーカー自身が、使用回数に関わらず精度は時間とともに落ちること、その場合はこの表示が出ないことを案内しています。表示が出ていないから大丈夫、とは考えないほうがいいです。

そのうえで2台を並べるなら、違いはこのあたりです。

  • ソシアック SC-103:中央自動車工業の製品で日本製。半導体ガスセンサーで、表示は0.00〜1.00mg/Lの100段階と細かい。単3電池で動く
  • タニタ アルブロ HC-213S:私が最初に買ったのがこれです。ただしすでに生産終了していて、いまは買えません。後継がEA-100、その後継が現行のEA-110です

いま買うなら、私がいま使っているソシアックはそのまま手に入ります。

タニタを選ぶなら、生産終了したHC-213Sの後継にあたるEA-100になります。測定範囲は0.00〜0.50mg/Lで、表示は0.05mg/L刻みです。

参考:タニタ「アルコールチェッカーEA-100」ほか各メーカーの製品情報。仕様・寿命の扱いは変更されることがあるため、購入時に最新の情報を確認してください。

正直に言えば、会社がきちんと点呼をしている現役ドライバーに、必須の道具ではありません。私が「持つ意味がある」と思うのは、こういう人です。

  • 泊まり運行が多く、自分の感覚がどれだけあてにならないかを知っておきたい人(前夜に一杯やった翌朝、「抜けたはず」という体感がどれだけ外れるかの答え合わせができます)
  • 白ナンバーの社用車に乗っていて、自分の酒の抜け方を把握しておきたい人

ここだけは絶対に間違えないでください。携帯用チェッカーはあくまで目安の道具で、正式な判定は会社の点呼と業務用検知器です。「自分のチェッカーで0だったから運転していい」という使い方は、私はしませんし、してはいけません。半導体式は、使用環境や呼気に含まれるアルコール以外の成分の影響を受けることがあります。そもそも市販の携帯チェッカーは、運転してよいかを判定するための機器ではありません。少しでも酒が残っている感覚があるなら、数値が何であれ乗らない。飲酒運転は論外です。

よくある質問(FAQ)

Q. マウスウォッシュや栄養ドリンクでも本当に反応しますか?

します。アルコール成分を含むマウスウォッシュや栄養ドリンク(タフマンにはアルコール分0.7%が含まれると、メーカーが公式に公表しています)は、使用・飲用の直後だと検知器が反応することがあります。飲酒運転になる量ではありませんが、運転前に飲んでよいという意味でもありません。点呼の直前は避け、使ったならうがいをして少し時間を置いてから測ってください。何分空けるかは会社の手順と検知器の取扱説明書に従うのが確実です(メーカーの案内では15〜30分程度が目安とされています)。

Q. お酒は何時間で抜けますか?

厚生労働省の「アルコールウォッチ」では、純アルコール10gの排出に約2.5時間、20gならおおよそ5時間が目安とされています。20gは、ビール中びん1本や、アルコール度数7%のハイボール350ml缶1本にあたる量です。ただし体質・体重・体調・年齢による個人差が非常に大きく、この時間を過ぎれば運転できるという意味ではありません。私自身、「抜けた」という感覚のまま検知器を鳴らした人間です。翌朝に乗務がある日は、目安の計算ではなく「残ったら終わり」を前提に飲み方を決めてください。

Q. 一回引っかかったらクビになりますか?

一概には言えませんが、私の知る範囲では、体表や飲食物が原因で再検査でクリアになったようなケースで即クビという話は聞いたことがありません(私自身も、軽い指導はありましたが処分はありませんでした)。処分の有無や重さは会社の就業規則と事案の中身によります。重くなるのは、飲んだ酒を残したまま隠そうとした場合や、乗ってしまった場合です。出たときに正直に申告したかどうかが、その後を大きく左右します。

まとめ:検知器は嘘をつかない。だから、こちらも嘘をつかない

アルコールチェックに引っかかったら、その場で運行は止まります。ただ、そこから先の道は一本ではありません。正直に申告して原因を突き止めれば笑い話にもなるし、隠せば全部を失う入口にもなります。検知器は微量のアルコールにも、体に塗ったローションにも、ときにはコーヒーにさえ反応しますが、機械は仕組みどおりに動いているだけです。向き合い方を選べるのは、吹き込む側だけです。

そしてもうひとつ。点呼とアルコールチェックがきちんと回っている会社は、面倒な会社ではなく、ドライバーを守る仕組みを持っている会社です。逆に、チェックが形だけの会社は、何かあったときにあなたを守れません。点呼の運用は、会社選びの立派な判断材料になります。見抜き方は運送会社の選び方の記事にまとめてあります。

いまの会社の点呼や安全管理に疑問を感じている人は、働き方ごと見直すのもひとつの手です。転職の進め方は転職サイトの比較記事を入口にしてみてください。

※本記事は筆者自身の経験と、運行管理者(貨物)としての制度理解に基づく内容です。点呼・アルコールチェックに関する法令や運用は改正されることがあり、処分等の扱いは会社・運行管理者・所轄官庁によって異なります。本記事は法的助言ではありません。アルコールの分解時間は個人差の大きい目安であり、実際の判断は必ず所属先のルールと現場の指示、最新の公的情報に従ってください。

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