トラックドライバーにフォークリフト免許は必要?取り方・費用と現役が使う場面を本音で解説

トラックドライバーにフォークリフト免許は必要か、取り方と費用を現役が解説するアイキャッチ 免許・資格

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「トラックドライバーになるなら、フォークリフトの免許って取っておいたほうがいいの?」——求人票の「フォークリフト免許があれば尚可」という一文を見て、気になっている人は多いと思います。

ネットで調べると「取っておけば有利です」と書いてある記事ばかりです。ただ、その多くは教習所や求人サイトの記事で、肝心の「ドライバーは実際いつフォークに乗るのか」がほとんど書かれていません。

私は業界20年超の現役ドライバーです。4トンのウイングから大型、ウイングトレーラーと乗り継いで、今は海上コンテナ(海コン)のトレーラーに乗っています。フォークリフトの資格は、高校で特別教育、最初の会社で技能講習と、二段階で取りました。

この記事では、「現場でフォークをいつ使うのか」「持っていると何が変わるのか」を現役の実感で話したうえで、取り方・費用・日数もまとめます。教習所の記事には書いていない、保険と賠償の怖い話もします。

なお、正確には「免許」ではなく労働安全衛生法に基づく「フォークリフト運転技能講習修了証」ですが、現場ではみんな「フォークの免許」と呼ぶので、この記事でも免許で通します。

結論:この業界で働くなら、持っていて損は絶対にない

先に結論を言います。トラックドライバーとして働くなら、フォークリフトの免許は持っていて損はまずありません。数日と数万円で取れて、更新もなく長く使えて、行ける現場と応募できる求人が確実に増えます。

ただし、「ドライバーは全員フォークに乗る」わけではありません。むしろ乗る仕事と乗らない仕事の差が極端です。私自身、フォークに毎日乗っていた時期と、何年も一度も乗らない時期の両方を経験しています。

だからこの記事は、「取れ取れ」と煽る前に、まず「どの仕事で、どれくらい使うのか」から話します。ここが分かっていないと、求人選びで判断を間違えるからです。

海コン・ウイング・荷役ありの仕事でフォークリフトを使う頻度を比較した図
同じトラックドライバーでも、フォークを使う頻度は仕事で大きく変わる。

意外な事実:海コンドライバーはフォークにほぼ乗らない

海上コンテナのヤードでトレーラーの前に立つドライバーと遠くのフォークリフト
海コンのヤードでは、ドライバーは荷役にほとんどタッチしない。

まず意外なほうから。海コンのドライバーは、フォークリフトにほぼ乗りません。私は海コンに移ってから、仕事で一度もフォークに乗っていません。正直、持っていない運転手もいるかもしれない、というレベルです。

理由は単純で、海コンの現場では荷役をドライバーがやらないからです。コンテナに荷物を詰める作業(バンニング)も、出す作業(デバン)も、倉庫の作業員の仕事です。ドライバーは海コンドライバーの仕事の流れで書いたとおり、コンテナを運ぶのが仕事で、中身には基本タッチしません。

倉庫の作業員がフォークリフトでコンテナに荷物を積み込む様子
コンテナへの荷役は倉庫の作業員の仕事だ。

海コンの世界でフォークリフトの資格が要るのは、ドライバーではなく構内の作業側です。バンプール(空コンテナの保管場所)で、コンテナをつかむスプレッダー付きの大型リフトや、「トンボ」と呼ばれる機械、20トンクラスの大型フォークを動かすのは構内のオペレーターですし、倉庫でのバンニング・デバンも倉庫の作業員がやります。

つまり、「海コン一本でいく」と決めているなら、フォークの免許の優先度は正直高くありません。ただ、後で書くとおり、それでも私は取っておく派です。

ウイングは別世界。「フォークが使えて当たり前」の現場が多い

一方、ウイング車は話がまったく別です。ウイングのドライバーは、フォークを必須にしている会社が多いです。

「次、フォークいいですか?」——順番待ちが日常の世界

私が出入りしていた問屋や倉庫では、来ているどの会社のドライバーも、自分でフォークに乗って荷物を下ろしていました。作業中に「次、フォークいいですか?」とドライバー同士で順番を回すのが日常で、「あー、次は〇〇さんとこのドライバーが待ってますよ」なんてやり取りもしょっちゅうありました。

ウイング車の横で倉庫の作業員とフォークリフトの順番をやり取りするドライバー
ウイングの現場では、フォークの順番を現場で回すことも多い。

あの光景を見れば分かります。ああいう現場では、フォークが使えて当たり前。使えないと、そもそも仕事が回りません。

飲料・問屋・流通センター系は実質必須だった

私の経験では、飲料系の配送や、問屋・自社の流通センター中心で動く仕事は、フォークが実質必須でした。パレットで積んでパレットで下ろす世界なので、フォークに乗れないと仕事にならないのです。

実際、私はドライバー採用で入った会社で、運転の研修とは別に、最初の1ヶ月間は倉庫作業員としてフォークに乗る研修を受けました。ドライバーとして採用しておいて、まずフォークから。それくらい、荷役とセットの仕事だったということです。

求人を見ていても、ウイングや平ボディの求人には「要フォークリフト免許」と書いてあるものが普通にあります。面接で「フォークに乗ったことある?」と経験まで聞いてくる会社も多いです。

逆に「客先でフォークに乗るな」という会社もある

ややこしいのは、同じウイングでも「客先でフォークに乗ってはいけない」方針の会社もあることです。これは会社の保険やリスク管理の考え方によります。ウイングの荷役の実態はウイング車の荷役はきつい?で詳しく書いたので、荷役の中身ごと知りたい人はそちらもどうぞ。

つまりウイングは、「フォークが実質必須の現場」と「乗ることすら禁止の会社」が両方ある世界です。だから求人票と面接で、「フォークに乗る必要があるか」「客先で乗っていいのか」を必ず確認してください。ここの確認を飛ばすと、入ってから「話が違う」となります。

現役の実話:フォークの免許が配達を救った日

免許を持っていて本当に助かった日の話をします。

山あいの倉庫でウイング車を前に会社へ電話で指示を仰ぐドライバー
客先で乗っていいかは、自分で決めず会社に確認する。これが鉄則だ。

大型ウイングで、都内から埼玉の山のほうにある小さな倉庫へ配達に行ったときのことです。倉庫にフォークリフトはあるのに、いつも乗っている人が体調不良で休み。ほかにフォークに乗れる人が誰もいない、という状況に当たりました。

当時の会社は、客先でのフォーク作業を原則禁止にしている、規則の厳しい大手でした。だから勝手には乗りません。会社に電話して、「荷物を持ち戻るか、自分がフォークで下ろすか」の指示を仰ぎました。

その日は帰りに別の場所で集荷の予定が入っていたこともあり、所長判断で、特例としてフォーク作業の許可が下りました。私が自分でフォークに乗って下ろし、配達完了。倉庫の社長さんにはえらく感謝されて、缶コーヒー1ケースとお菓子をもらいました。

もし免許を持っていなかったら、荷物を積んだまま引き返す、完全な無駄足になるところでした。次の集荷にも影響して、被害は一日仕事です。免許一枚で、配達先も、会社も、自分も助かった。「持っていて損はない」というのは、こういう地味な場面で効いてくる話です。

ただし「乗るな」と言われたら乗るな——保険と賠償の落とし穴

いい話の後に、怖い話をします。上の話には大事な前提があります。私は会社の許可を取ってから乗った、ということです。

顔見知りの倉庫に行くと、こういう場面があります。普段は順番待ちをして、倉庫の作業員がフォークで下ろしてくれる現場でも、忙しいときには「フォークに乗ってくれるなら、あそこに停まってるフォーク使って下ろしちゃっていいよ」と、優先で下ろさせてもらえることがあります。逆にこちらから「忙しそうなんで、フォークが空いてるなら下ろしておきますよ」と、現場を手伝うこともあります。現場同士の助け合いで、それ自体はよくある光景です。

ただし、会社が客先でのフォーク作業を禁止しているのに、好意に甘えて勝手に乗るのは、絶対にやめてください。

理由は保険です。会社が入っている貨物保険の内容によっては、走行中の急ブレーキや事故による荷物のダメージは補償されても、ドライバーがフォーク作業中に起こした荷物の事故は補償の対象外になることがあります。会社が「乗るな」と言うのは、意地悪ではなく、保険でカバーできない領域だからです。

補償の外で荷物を倒したらどうなるか。荷物が高額だった場合、最悪、解雇や自費での賠償につながる可能性もあります。実際、このパターンで数百万円の借金を背負った例も聞いています。缶コーヒー1ケースのお礼と引き換えにするには、あまりに重すぎるリスクです。

だから鉄則はひとつ。客先でフォークに乗っていいかは、自分で判断せず、必ず会社に確認する。私が電話で指示を仰いだのは、面倒だからではなく、これが自分を守る唯一の手順だからです。

フォークの免許は「乗れる資格」ではありますが、「どこでも勝手に乗っていい許可証」ではありません。実際に乗れるかどうかは、会社のルール、荷主側の許可、保険の範囲まで含めて決まります。

フォークリフト免許の取り方・費用・日数

ここからは取り方の実用情報です。数字は教習所や地域によって差があるので、目安として見てください。

資格は2種類。仕事で使うなら「技能講習」一択

フォークリフトの資格は、扱うフォークリフトの最大荷重で2種類に分かれます。

資格 運転できる範囲 時間・日数の目安 費用の目安
フォークリフト運転技能講習 最大荷重1トン未満・1トン以上すべて 最長35時間・5日程度(短縮あり) 4万〜5万円程度(短縮で安くなる)
フォークリフト運転特別教育 最大荷重1トン未満のみ 学科6時間+実技6時間・2日程度 1.5万〜2万円程度

倉庫や現場で使うフォークリフトは1トン以上が中心なので、仕事で使うつもりなら最初から技能講習を受けるのが定番です。技能講習は都道府県労働局に登録された教習機関で受講します。多くの教習機関では満18歳以上が基本です。修了証に有効期限はなく、更新も不要で、全国どこでも使えます。履歴書にも書けます。

持っている運転免許・経験で時間と費用が短縮される

技能講習は、持っている運転免許やフォークの実務経験によってコースが分かれます。

持っている資格・経験 コース 日数の目安
運転免許なし 35時間 5日程度
普通免許以上(普通・中型・大型など) 31時間 4日程度
特別教育修了+1トン未満の実務経験6ヶ月以上 15時間 2〜3日程度
普通免許以上+特別教育修了+実務経験3ヶ月以上、または大型特殊免許 11時間 2日程度

トラックドライバーを目指す人・現役の人は運転免許を持っているはずなので、実質は31時間・4日・3.5万〜5万円前後が基本ラインです。

なお、短縮コースを受ける場合は、特別教育の修了証や、会社・事業者による実務経験の証明が必要になることがあります。自己申告だけで短縮できるわけではないので、受講資格の細かい条件や費用とあわせて、申し込み前に教習機関へ確認してください。

ちなみに、トラック側の免許(中型・大型・けん引)の取り方はトラックドライバーの免許の取り方と費用けん引免許の取り方でまとめています。

私の場合:高校で特別教育→会社のお金で技能講習

参考までに、私の取り方も書いておきます。私はまず高校在学中に特別教育を取りました。理由は単純で、就職活動で「持っていれば有利に働くかも」と思ったからです。

そして最初に入った大手で、バンプール業務——修理場でのコンテナの移動や、トレーラーへの積み下ろし——に必要になり、会社に言われて、会社のお金で技能講習を取りに行きました。修理場に資材移動用の小型フォークがあって毎日乗っていたので、その実務経験を会社に証明してもらい、短縮コースの2日で取れました。

ここから言えることは2つです。ひとつは、会社の費用負担で取らせてくれる会社があること。求人票の「資格取得支援」はこういう場面で効きます。もうひとつは、特別教育や実務経験があると時間もお金も短縮できること。焦って自腹で取る前に、入りたい会社に取得支援があるか確認する価値はあります。

採用でどれくらい有利になるか

最後に、転職での話です。海コン専門のような荷役のない会社を除けば、求人票に「要フォークリフト免許」と書いてある求人は普通にあります。免許がないと、その求人には最初から応募できません。

「あれば尚可」の求人でも、まったく同じ経歴のライバルがいたら、免許を持っているほうが優遇されるはずです。面接で「フォークに乗ったことある?」と経験まで聞かれることも多いですし、「入社までに取ってきて」「入社したらまず取ってね」と言われるケースもあります。

もちろん、フォークをまったく必要としない会社もあります。ただ、キャリアは長いです。今の仕事で使わなくても、次の転職で「要フォーク」の求人に出会う可能性は十分あります。数日と数万円で応募できる求人の幅が一生広がるなら、安い投資です。

ちなみに、荷役の中身や会社のルールは求人票だけでは分かりません。面接での確認の仕方は失敗しない会社の選び方にまとめてあります。

荷役スキルを活かして求人の幅を広げたい人へ

ドライバー専門の求人サイトなら、「要フォークリフト免許」「資格取得支援あり」といった条件で仕事を探せます。自分の資格がどんな求人につながるのか、まず相場を見てみるのがおすすめです。

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よくある質問(FAQ)

Q. 特別教育と技能講習、どちらを取ればいいですか?

仕事で使うなら技能講習です。特別教育で乗れるのは最大荷重1トン未満だけで、現場のフォークリフトは1トン以上が中心です。運転免許を持っていれば31時間コース(4日程度)で取れるので、最初から技能講習をおすすめします。

Q. 費用は会社が出してくれますか?

会社によります。私は会社に言われて会社のお金で取りました。業務に必要な資格として費用を負担してくれる会社や、「資格取得支援」を掲げる会社は実際にあります。入社前なら、面接で取得支援の有無を確認しておくといいです。

Q. 海コンドライバーになるなら要りませんか?

海コンのドライバー業務では、まず使いません。私も海コンに移ってから一度も乗っていません。ただ、キャリア全体で見れば、ウイングなど荷役のある仕事に移る可能性もありますし、持っていて邪魔になる資格ではありません。優先度は下がりますが、余裕があれば取っておく価値はあります。

まとめ:フォークの免許は「数万円で一生使える保険」

フォークリフトの免許は、トラックドライバー全員の必須資格ではありません。海コンのように一度も乗らない仕事もあれば、ウイングのようにフォークの順番待ちが日常の仕事もあります。

それでも私は取っておく派です。数日と数万円で取れて、更新なしで長く使えて、応募できる求人と現場での動き方が確実に広がります。ただし客先で乗るかどうかは、免許ではなく会社のルールと保険で決まります。ここだけは絶対に自己判断しないでください。

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※本記事は筆者自身の経験に基づく内容です。講習の受講資格・時間・費用は教習機関や地域によって異なります。最新の情報は各教習機関の案内で確認してください。フォークリフト作業の可否は、必ず所属先のルールと現場の指示に従ってください。

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